韓親善宣教ニュース 第132号(2022年9月1日発行)より〉


 日韓親善宣教協力会委員                  
   ウェスレアン・ホーリネス教団玉川キリスト中央教会牧師  
   本間尊広  
本間師_image 
  新型コロナの感染症が世界的に蔓延して3年目になりました。
この感染症は、身体になんらかの症状を
もたらすという面と、
社会的になんらかの痛みをもた
らすという面が当初から指摘されていました。

日本国
内でも、都道府県別の陽性者の数を見ては、
自分の地
域は大丈夫だと安心をしたり、
他の地域を低く見たり
する思いを抱いたことのある方々がおられると思います。

そして、諸外国の感染状況のニュースを見るた
びに、
日本の状況と比較しては、
他国のような対策を
しない日本のやり方を批判したり、
他国よりはましだ
と思って安心したりしたことも
あったのではないで
しょうか。

お互いに痛みを経験しているのに、
共感よ
りも優越意識が出てしまい、
相手を下に見るような思
いが自分の中にあることに気付かされました。


 相手より自分が上にいる者でありたいという思いは、
謝罪や和解を妨げ、
また相手の今の姿をありのままに見ること、
相手を理解しようとすることを妨げます。

政治的に日韓関係がこじれ、世論が冷え切る時は、 
相手をただ批判するだけで、
相手の主張や心情に耳傾けようとする努力を
怠ってしまっているのではないかと思わされます。


 戦前戦中の日本が韓国を植民地化していた歴史についての謝罪と、
その謝罪にもとづく和解の働きが、 
日韓親善宣教協力会の発足当初からの大事な働きです。

謝罪することにおいては、
過去の歴史を学び続けるということが大切ではないかと、
わたしはずっと考えてきました。

1910 年から 1945 年までの 36 年間に日本が行った植民地統治と
そこに至るまでの年月における帝国主義政策について、
知ろうとすることがとても大事ではないかと思います。

漠然とした歴史認識に基づいてただ謝罪の気持ちを持つだけではなく、 
より具体的に歴史を学び続けることが、
謝罪の内実を形作ると考えます。


 その一方で、韓国のポップスやドラマ、映画、
若者文化が大好きな日本の若い世代の存在は無視できません。

日韓の友好関係はまず歴史の学びから、と考えてきたわたしには、
彼らがどのような歴史認識を持っているのかは興味深いですが、
わたしが若かった頃の同世代の人々よりも、
今の若い人たちは韓国に強い関心を持っていますし、
韓国語を勉強している人たちも多いことに驚かされます。

政治的に日韓関係が冷え切っても、
それによってぶれることなく
自分の好きな韓流スターを応援し続ける世代によって、
新しい日韓友好の形が生み出されていることを覚えます。

歴史の学びにもとづく謝罪と和解が大切だという考えには変わりありませんが、
文化に対する強い興味や関心から、
韓国に愛着を感じている若い世代の結びつきにも、
大きな意味があると思います。


 わたしの所属する教団で、
毎月1回青年を中心とした賛美集会を続けてきました。

コロナのために対面で集会ができなくなった時に、
すぐに Zoom を使ったオンライン集会に切り替えて継続してきました。

平島望宣教師夫妻とのつながりを通して、
このオンライン集会に韓国からの参加者が加えられ、
今や、日韓合同の賛美と祈りの集いを毎月続けるという
恵みにあずかるようになりました。

お互いに受け入れ合おうとする若い世代が、
オンラインという新しい形でつながりはじめるこの時代に、
確かな歴史認識にももとづきつつ、
しなやかに良き関係が形作られていくことを期待し、
祈っています。

    ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

神は、キリストによ って、私たちをご自 分と和解させ、
また 和解の務めを私たち に与えてくださいま した。
(Ⅱコリント 5:18)


 ソウル日本人教会
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